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同一労働同一賃金について

同一労働同一賃金とは

簡単WEB予約
「同一労働同一賃金」は「長時間労働規制」とともに、「働き方改革」の2本柱です。
いわゆる非正規労働者は、我が国の雇用者の約4割を占めているとされ、かつ、家計の補助として働いているのではなく、「生計を維持するために働いている」方々が増えているとされており、このことが非正規雇用が大きな社会問題として取り上げられる背景となっています。「同一労働同一賃金」は、「パートタイム・有期雇用労働法」にもとづき、大企業については2020年4月1日より適用されており、介護事業所を含む中小企業については、2021年4月1日より適用されています。「同一労働同一賃金」の目的は、「同じ仕事に対して同じ賃金を支払うこと」ではなく、同一企業におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇格差の禁止を、その目的としています。
不合理な待遇格差の解消の対象となるのは、基本給のみならず、賞与、手当、休憩、休日、福利厚生、教育訓練、安全衛生、災害補償などすべての待遇なります。
同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても適切な待遇がなされる魅力ある職場であると評価され、正規雇用と非正規雇用との待遇差を埋めていくことにより、「自分の能力を評価されている」という納得感が生じ、働くモチベーションを引き出すこととなり、労働参加率と労働生産性も向上し、多様な働き方を求める現代社会に沿う介護事業所・企業となることができ、人材の確保に資することができるのではないでしょうか。

当事務所は、代表である私が長年、特別養護老人ホームに社会福祉の専門職国家資格である社会福祉士と介護保険制度の要であるケアマネジャー資格を有して仕事をしていたことから、「介護事業に特化した社労士事務所」としていますが、もちろん、一般企業様からの労務管理などに関するご相談・ご依頼も承っております。
どうぞよろしくお願いいたします。

当事務所では、オンライン相談を実施しています。
オンライン相談のメリット
・オンライン相談であれば、新型コロナウイルス感染症の感染防止ができます。
・私が会社や施設などをご訪問する場合は、旅費、宿泊費、日当といった費用をご負担いただきますが、オンライン相談であれば相談料以外の費用は必要ありません。
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正規雇用と非正規雇用

一緒に走ります
「正規雇用」とは・・・
正規雇用とは、①無期雇用である ②フルタイムで働き ③直接雇用されている という3つの要件を満たす場合のことをいいます。ちなみに、定年制は有期雇用ではなく、無期雇用となります。

「非正規雇用」とは・・・
非正規雇用とは、無期雇用に対する①有期雇用、フルタイムに対する②パートタイム、直接雇用に対する③間接雇用(派遣社員)の要件を満たす場合をいいます。

「同一労働同一賃金」の規定に違反した場合のリスク

「同一労働同一賃金」の規定に違反したとしても刑罰を科されることはありませんんが、以下のようなリスクが考えられます。
①都道府県労働局長から報告を求められ、または、助言・指導もしくは勧告を受けることがある。
②非正規の従業員が労働組合に加入して、団体交渉や街宣活動等で、その違反を追求する場合がある。
③非正規の従業員が、紛争調整委員会に調停を求めたり、裁判所に損害賠償の訴え等を提起することが考えられる。
④外部に同一労働同一賃金違反の情報が洩れて、会社の名誉・信用が傷つけられ、優秀な人材の確保が困難になったり、コンプライアンス(法令遵守)を重視する取引先を失う可能性がある。
以上のようなリスクを避けるためにも、完璧な遵守を徹底しようとするのではなく、多少のグレーゾーンが残ることもやむを得ないと考えて不合理な待遇差の解消に取り組むことが肝要であるとされています。

待遇格差が不合理かどうかを判断する考慮要素とは

長崎港
正規雇用の従業員と非正規雇用の従業員との「待遇差」が不合理かどうかを判断する考慮要素は、①職務の内容②職務の内容および配置の変更の範囲③その他の事情の3つです。
パートタイム・有期雇用労働法8条では、「通常の労働者との間に①業務の内容および当該業務に伴う責任の程度(職務の内容)、②職務の内容および配置の変更の範囲、③その他の事情のうち、当該待遇の性質および当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる待遇の相違を設けてはならない」と規定されています。
それでは、上記の「通常の労働者」とは誰のことを指すのかというと、「メトロコマース事件」東京高裁判決を要約すると「不合理と認められると主張する無期契約労働者を特定して主張すべきものであり、裁判所はその主張に沿って当該労働条件の相違が不合理と認められるか否かを判断すれば足りるものと解するのが相当である」としており、最高裁においても、この判断が指示されています。つまり、非正規雇用従業員が待遇差の不合理について争う場合には、正規雇用従業員を選ぶことができるということになります。

手当の待遇差が不合理か否かの判断手順

その手当の待遇差が不合理か否かの判断手順は以下のようになります。
①その手当の性質・目的を支給要件等から認定する。
→ここでは「ハマキョウレックス事件」最高裁判決から書いていきます。「ハマキョウレックス事件」とは、運送会社で働く有期雇用の契約社員さんが、正社員との間に労働条件の差を設けるのは無効であるとして訴えたものです。この事件の最高裁判決では「作業手当」について触れていますが、正社員には「作業手当」を支給し、非正規雇用の社員に支払わないことは「作業手当は、特定の作業を行った対価として支給されるものであり、作業そのものを金銭的に評価して支給される性質の賃金であると解される」として正社員に「作業手当」を支払い、非正規雇用の社員に「作業手当」を支払わないことは「不合理」としています。「不合理性の判断」においては、すべての待遇を、まず、「待遇の性質・目的を認定し、その認定に照らして適切な考慮要素(職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲、その他の事情」を選択して判断することとなっているとされています。
②その手当が支給されていないパートタイム・有期雇用労働者には、その手当の決定基準・ルールがないので、①で認定した、その性質・目的に照らして正社員の決定基準・ルールを適用できないかを検討する。
③適用できる場合、その手当が「職務の内容」や「職務の内容および配置の変更の範囲との結びつきがあるか、また正社員とパートタイム・有期雇用労働者とで、結びつきのある考慮要素等に違いがあるかを検討し、不合理か否かを判断する。
→ハマキョウレックス事件の「作業手当」では、「上告人の乗務員については、契約社員と正社員の職務の内容は異ならない。また、職務の内容および配置の変更の範囲が異なることによって、行った作業に対する金銭的価値が異なることになるものではない」とし、非正規社員に「作業手当」を支払わないことを「不合理」としています。
④③の段階では、待遇差が不合理と判断される場合、「その他の事情」で、その不合理の判断を覆せないか検討する。
→ハマキョウレックス事件の「作業手当」の合理性・不合理の判断では、「作業手当に相違を設けることが不合理であるとの評価を妨げる、その他の事情もうかがわれない」とし、「不合理」としています。
ちなみに「ハマキョウレックス事件」では、「無事故手当」「作業手当」「給食手当」「住宅手当」「皆勤手当」「通勤手当」について合理性の判断が争われており、「無事故手当」「作業手当」「給食手当」「皆勤手当」「通勤手当」について、正社員に支払い、非正規社員に支払わないことが「不合理」であると判断されています。

不合理な差別の禁止(均衡待遇)と差別的取扱いの禁止(均等待遇)について

不合理な待遇差の禁止(均衡待遇)とは
→「事業主は、その雇用するパートタイム・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者との待遇との間において、当該パートタイム・有期雇用労働者および通常の労働者の職務の内容、当該職務の内容および配置の変更の範囲、その他の事情のうち、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない」(パートタイム・有期雇用労働法8条)
差別的取扱いの禁止(均等待遇)とは
→「事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一のパートタイム・有期雇用労働者であって、当該事業における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容および配置が当該通常の労働者の職務の内容および配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、パートタイム・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて差別的取扱いをしてはならない」(パートタイム・有期雇用労働法9条)

各企業が行う対応はなにか

(実務対応)
1.自社にパートタイム・有期雇用労働法の対象となる雇用形態の労働者がいるかいないかを確認する。
2.正社員と非正規社員との間に待遇差が存在するかどうかを確認する。
3.「差別的取扱い」があれば是正する。
4.「不合理な待遇差」があれば是正する。
5.就業規則・諸規程を整備する。
(説明義務履行のための準備)
・事業主は、パートタイム・有期雇用労働者を雇入れたときは、速やかに、厚生労働省令で定める事項について、パートタイム・有期雇用労働者と通常の労働者の間で均等待遇・均衡待遇を実現するために事業主が講ずべきとされている措置の内容と併せて説明する必要があります。また、パートタイム・有期雇用労働者が求めた場合は、事業主はパートタイム・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違および理由について説明しなければなりません。
(人事制度のチェックと見直しの手順)
〇 人事制度のチェックと見直しについては、厚生労働省から出されている「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」の手順にしたがって進めていきます。
手順1:労働者の雇用形態を確認する
→ パートタイム・有期雇用労働法の対象となる労働者、つまり、短時間労働者や有期雇用労働者を雇用しているかを確認します。そして、短時間労働者や有期雇用労働者を雇用している場合には、パートタイマーの社員、アルバイト社員のように分類して総人数を書き出します。
手順2:待遇の状況を確認する。
→ 短時間労働者、有期雇用労働者の区分ごとに基本給・賞与・手当や福利厚生などの待遇について、正社員と取扱いの違いがあるかどうか書き出して整理します。「同一労働同一賃金ガイドライン」によれば、「基本給」は「労働者の①能力または経験に応じて、②業績または成果に応じて、③勤続年数に応じて」支給する場合は、①②③の部分について同一であれば同一の支給を求め、一定の違いがあれば、その違いに応じた支給を求めています。「役職手当等」については、労働者の役職の内容に対して支給するものについては、正社員と同一の役職に就く短時間労働者・有期雇用労働者には、同一の支給をしなければなりません。また、役職の内容に一定の違いがある場合には、その相違に応じた支給をしなければなりません。「通勤手当等」については、短時間労働者・有期雇用労働者には正社員と同一の支給をしなければなりません。「賞与」については、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについては、正社員と同一の貢献である短時間労働者・有期雇用労働者には貢献に応じた部分において、同一の支給をしなければなりません。また、貢献に一定の違いがある場合は、その相違に応じた支給をしなければなりません。「時間外手当等」については、正社員と同一の時間外労働・休日労働・深夜労働を行った短時間労働者・有期雇用労働者には、同一の割増率等で支給しなければなりません。「家族手当・住宅手当等」については、ガイドラインには示されていませんが、均衡待遇・均等待遇の対象となっており、労使で個別具体的な事情に応じて議論していくことが望ましいとされています。
手順3:待遇に違いがある場合は、違いを設けている理由を確認する。
→ 短時間労働者・有期雇用労働者と正社員との間で、手当の支給について取扱いに違いがあるか、違いがある場合は、それはどのような違いで違いを設けているのか書き出してみます。正社員に支給されている基本給、すべての手当や福利厚生などを書き出し、短時間労働者・有期雇用労働者への支給の違いについて洗い出します。
手順4:手順2と3で待遇に違いがあった場合、その違いが「不合理でない」ことを説明できるように整理する。
→ 事業主は、労働者の待遇の内容、待遇の決定に関して考慮した事項、正社員との待遇差の内容やその理由について、パートタイム・有期雇用労働者を雇入れたとき、およびパートタイム・有期雇用労働者から説明を求められた場合は説明しなければなりません。短時間労働者・有期雇用労働者の社員タイプごとに、正社員との待遇に違いがある場合、その違いが「不合理でない」と説明できるよう、文書で整理します。
手順5:パートタイム・有期雇用労働法違反が疑われる状況からの早期の脱却を目指す。
→ 短時間労働者・有期雇用労働者と正社員との待遇の違いが「不合理ではない」とは言い難い場合は、改善に向けて検討を始めます。
手順6:改善計画を立てて取り組む。
→ 改善の必要がある場合は、労働者の意見も聴取しつつ、計画的に取り組みます。
(基本給・賞与・退職金の制度設計について、すべきこと)
基本給・賞与・退職金の制度設計にあたっては、通常の労働者の賃金は、正社員としての職務を遂行し得る人材の獲得やその定着を図る目的のもとに構築されていることを念頭に置いたうえで、通常の労働者とパートタイム・有期雇用労働者との間の①職務の内容等の区別の明確化と規定化、②賃金の決定基準・ルールが異なることの明確化とそれに即した運用の徹底、③実際に機能する正社員登用制度を設ける等を行えば、通常の労働者とパートタイム・有期雇用労働者との間に不合理な待遇差が認められるといわれることは、ほとんどないといってよいとされています。
(職務の内容・職務の内容および配置の変更の範囲の区分の明確化と規定化の具体的内容)
〇 職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲の区分について、就業規則に以下の内容をその区分が明確になるように規定します。
1.採用基準
2.採用時の提出書類の内容
3.試用期間
4.異動(担当業務の変更、昇進、転勤、出向など)
5.正社員登用制度
6.時間外労働、休日労働
(パートタイム・有期雇用労働者に対し、職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲と関連がある手当は、どのように制度設計すればいいか)
〇  職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲が通常の労働者とパートタイム・有期雇用労働者とで同じである場合は、パートタイム・有期雇用労働者にも同額の手当を支給しなければなりません。
 「同一労働同一賃金ガイドライン」におけるパートタイム・有期雇用労働者への手当の待遇を整理すると以下のとおりとなります。
職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲と関連がある手当
①役職手当→支給の前提条件:通常の労働者と同じ内容の役職に就く。
②特殊作業手当→支給の前提条件:通常の労働者と同じ危険度または作業環境の業務に従事する。
③ 特殊勤務手当→支給の前提条件:通常の労働者と同じ勤務形態で業務に従事する。
④精皆勤手当→支給の前提条件:通常の労働者と業務の内容が同じ。
⑤ 時間外労働手当→支給の前提条件:通常の労働者の所定労働時間を超えて、通常の労働者 と同じ時間外労働を行った。
⑥深夜労働、休日労働手当→支給の前提条件:通常の労働者と同じ深夜労働または休日労働を行った。
以上のような場合において、通常の労働者には手当を支払い、パートタイム・有期雇用労働者には手当を支払わない場合は、不合理な待遇差となります。

(パートタイム・有期雇用労働者に対し、職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲と関連のある手当以外の手当をどのように制度設計すればいいか)
〇  通勤手当・出張旅費・食事手当・単身赴任手当・地域手当などは、「同一労働同一賃金ガイドライン」の記述に従って対応することが必要とされており、その内容は以下のとおりです。
①通勤手当・出張旅費→支給の前提条件はない。通常の労働者と同一の通勤手当・出張旅費を支給しなければ不合理となる。
②食事手当→支給の前提条件として「労働時間の途中に食事のための休憩時間があるという条件を満たしていれば、通常の労働者と同一の食事手当を支給しなければ不合理となる。
③単身赴任手当→通常の労働者と同一の支給条件を満たせば、通常の労働者と同一の単身赴任手当を支給しなければ不合理となる。
④地域手当→通常の労働者と同一の地域で働くという支給条件を満たせば、通常の労働者と同一の地域手当を支給しなければ不合理となる。
(パートタイム・有期雇用労働者に対して、「福利厚生・教育訓練・安全管理」をどのように制度設計すればいいか)
〇「福利厚生・教育訓練・安全管理」に関する「同一労働同一賃金ガイドライン」の記述は以下のとおりです。
①給食施設、休憩室および更衣室→利用の前提条件として通常の労働者と同じ事業所で働いていれば、通常の労働者と同じ利用を認めなければ不合理となる。
②転勤者用社宅→利用の前提条件として、転勤の有無、扶養親族の有無、住宅の賃貸または収入の額など、通常の労働者と同じ支給要件であれば、通常の労働者と同一の利用を認めなければならない。
③ 慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除および当該健康診断に勤務時間中に受診する場合の当該受診時間に係る給与の保障→前提条件はない。通常の労働者と同じ慶弔休暇の付与、勤務免除および給与の保障を行わなければ不合理となる。
④ 病気休職→前提条件はない。パートタイム労働者には、通常の労働者と 同じ病気休職を認めなければ不合理。有期雇用労働者については、労働契約が終了するまでの期間を踏まえて、病気休職 を認めねければ不合理となる。
⑤法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く)
→前提条件は、通常の労働者と同じ勤続期間(期間の定めがある労働契約を更新している場合は、当初の労働契約の開始時から通算して勤続期間を評価し、通常の労働者と同じ休暇(慶弔休暇を除く)を付与しなければ不合理となる。
⑥ 教育訓練であって、現在の職務の遂行における必要な技能または知識を習得するために実施するもの→前提条件として、通常の労働者と職務の内容が同じであれば、通常の労働者と同じ教育訓練を実施しなければ不合理となる。また、職務の内容に一定の相違がある場合は、その相違に応じた教育訓練を実施しなければ不合理となる。
⑦安全管理に関する措置および給付→前提条件として、通常の労働者と同じ勤務環境であれば、通常の労働者と同じ措置および給付をしなければ不合理となる。
上記のなかで、給食施設・休憩室・更衣室、転勤用社宅、教育訓練、安全管理については、「同一労働同一賃金ガイドライン」に記載されている対応を行わないと不合理な待遇差となる可能性が高いとされています。慶弔休暇についても、「同一労働同一賃金ガイドライン」に即した対応がよいとされている一方で柔軟な対応も可能とされています。
法定外の有給の休暇については、通常の労働者には、労働基準法に上乗せした休暇日数を付与し、パートタイム・有期雇用労働者には、その上乗せがないといった日数における待遇差は、不合理な待遇差になると考えておくべきとされています。
(同一労働同一賃金ガイドライン」の位置づけ)
〇 パートタイム・有期雇用労働法15条に根拠規定がある「同一労働同一賃金ガイドライン」の位置づけは、パートタイム・有期雇用労働法に基づいて、行政指導の根拠となる性格のもので、裁判規範となるものではないものであり、「同一労働同一賃金ガイドライン」に示す基準において、均衡待遇・均等待遇を運用してくださいというものであるとされています。
(定年後再雇用者について許容される定年前後の待遇差と再雇用 制度にかえて定年延長制度を導入する場合の留意点とは)
〇 定年後再雇用者はパートタイム・有期雇用労働法の適用を受けるか。
→ 定年後再雇用者については、有期雇用労働者として、パートタイム・有期雇用労働法8条(不合理な待遇差の禁止=均衡待遇)を含めてその適用を受けることとなる。
〇 定年前後の待遇差について
→ 定年前後で職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲が異なっていれば、待遇差にある程度の相違があっても不合理とは認められにくいとされています。この定年前後の待遇差については、パートタイム・有期雇用労働者であることを理由として待遇差に相違があるのでなく、定年後再雇用者としての待遇の相違であればパートタイム・有期雇用労働法8条(不合理な待遇差の禁止)とはならないと考えられるとされています。
〇 定年前後で職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲が同じである場合の賃金水準について
→ 定年前後で職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲が同じである場合の賃金水準は、「労働者の生活保障という観点を踏まえ、定年後再雇用者の基本給が正職員定年退職時の基本給の60%を下回れば不合理な待遇差である」という趣旨の判例があるということです。
〇 定年前後で職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲が異なる場合は、賃金総額をどの程度下げることができるのか
→ この検討にあたっては、事案ごとの個別要素が重要であり、一律に何%程度の減額が許されると言うことは困難であるとされています。
個別の裁判例によると、
①職務の内容は定年前後で同じであるが、職務の内容および配置の変更の範囲が異なる事件では、定年前賃金の約6割を支給することは不合理な待遇差にあたらないと判断されているということです。
②職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲が定年前後で異なる事件では、定年前賃金の約5割を支給することは不合理な待遇差にあたらないと判断されているということです。
③職務の内容が定年前後で大きく異なる事件では、定年前賃金の約3~4割前後を目安とする賃金支給について不合理な待遇差にあたらないと判断されているということです。
〇 定年延長制度を導入する際のメリットとデメリット
→メリット:定年年齢を60歳から65歳に延長するということは、正社員として雇用を続けることとなるので、パートタイム・有期雇用労働法の適用を受けない。
→デメリット:就業規則において、60歳以上の労働条件を新たに規定しなければならないが、就業規則の変更については、労働契約法10条において、「就業規則の変更が労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容
の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則の定める ところによるものとする」と規定されており、変更後の就業規則の合理性が問題となります。
(雇用形態別に就業規則を作成する必要性はあるか)
〇 就業規則は雇用形態別に作成すべきとされています。
→ この理由は次のとおりです。自社に正社員と有期労働契約を締結しているパートタイム労働者と契約社員が存在する場合に、正社員用のみの就業規則を作成し、その就業規則のなかで、パートタイム労働者や契約社員には適用しないという除外規定を設けて、そのことを明示しているので問題はないというふうに考えていても、「不合理性の待遇の禁止」でその除外規定が無効となってしまった場合は、正社員用の就業規則がパートタイム労働者や契約社員にも適用されることとなる可能性があるので、就業規則は雇用形態別に作成すべきであり、このことが労務管理の大原則です。
(パートタイム・有期雇用労働者に対する説明義務の概要)
〇 パートタイム・有期雇用労働法14条1項では、パートタイム・有期雇用労働者を雇入れたときは速やかに、事業主は以下の措置の内容について説明しなければならないこととなっています。
(1)不合理な待遇差の禁止(8条)
(2)差別的取扱いの禁止(9条)
(3)賃金(10条)
(4)教育訓練(11条)
(5)福利厚生施設(12条)
(6)通常の労働者への転換(13条)
また、パートタイム・有期雇用労働法14条2項では、パートタイム・有期雇用者から求めがあったときは、①通常の労働者との待遇の相違の内容およびその理由について説明しなければならないほか、②以下の措置を講ずべきとされている事項に関する決定をするにあたって考慮した事項について説明しなければならないこととなっています。
(1)労働条件に関する文書の交付等(6条)
(2)就業規則の作成の手続(7条)
(3)不合理な待遇差の禁止(8条)
(4)差別的取扱いの禁止(9条)
(5)賃金(10条)
(6)教育訓練(11条)
(7)福利厚生施設(12条)
(8)通常の労働者への転換(13条)
上記の説明義務の履行については、パートタイム・有期雇用労働者の納得までを必要とするものではなく、説明した結果、納得が得られなくとも、説明義務を履行したことと解されるとなっています。
〇説明の際の資料
→ パートタイム・有期雇用労働者が、事業主が講ずる雇用管理の改善等の措置の内容を理解することができるよう、資料を用いて口頭により説明することが基本ということです。もっとも、説明すべき事項をすべて記載したパートタイム・有期雇用労働者が容易に理解できる内容の資料を用いる場合には、当該資料を交付する等の方法でも差し支えないとされているということです。資料を用いて口頭で説明する場合には、就業規則、賃金規程、通常の労働者の待遇のみを記載した資料が考えられるということです。また、有期雇用労働者については、労働契約の更新により、「雇入れ」となることから、労働契約の更新の都度、説明が必要となることに注意が必要であるということです。
 〇説明の内容
(1)不合理な待遇差の禁止(8条)
→ 雇入れるパートタイム・有期雇用労働者の待遇について、通常の労働者の待遇との間で不合理な待遇差を設けていないことを説明する。
(2)差別的取扱いの禁止(9条)
→ 雇入れるパートタイム・有期雇用労働者が通常の労働者と同視すべきパートタイム・有期雇用労働者の要件に該当する場合は、通常の労働者と差別的取扱いをしないことを説明する。
(3)賃金(10条)
→ 職務の内容、職務の成果等のうちどの要素を勘案した賃金制度となっているかを説明する。
(4)教育訓練(11条)
→ パートタイム・有期雇用労働者に対して、どのような教育訓練が実施されるのかを説明する。
(5)福利厚生施設(12条)
→ パートタイム・有期雇用労働者がどのような福利厚生施設を利用できるかを説明する。
(6)通常の労働者への転換
→ どのような通常の労働者への転換推進措置を実施しているかを説明する。
※ パートタイム・有期雇用労働法14条3項では、パートタイム・有期雇用労働法14条2項の規定により、パートタイム・有期雇用者から説明の求めがあったことを理由として、当該パートタイム・有期雇用労働者に対して、解雇その他不利益な取扱いをすることを禁止しています。
(パートタイム・有期雇用労働者法14条1項(雇入れ時)に定める説明義務の履行方法)
〇 パートタイム・有期雇用労働者を雇入れた際は、労働基準法15条1項の規定による「労働条件通知書」に、パートタイム・有期雇用労働法14条1項に基づいて説明しなければならない内容(不合理な待遇の禁止、差別的取扱いの禁止、賃金、教育訓練、福利厚生施設、通常の労働者のへの転換)も併せて記載して、パートタイム・有期雇用労働法14条1項に基づく説明義務を履行することが簡便だということです。また、パートタイム・有期雇用労働法6条1項は、労働基準法15条1項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のもののうち、特にパートタイム・有期雇用労働者にとって重要な事項であるものを特定事項として定め、事業主が文書の交付等により明示しなければならないとしています。ここでいう特定事項とは、①昇給の有無、②退職手当の有無、③賞与の有無、④パートタイム・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口となっています。そして、「労働条件通知書」において、①~④までの事項が明示されていれば足りるということです。なお、文書の交付等は義務であり、労働基準法では30万円以下の罰金、パートタイム・有期雇用労働法では10万円以下の過料の規定が置かれています。
(待遇の相違の内容およびその理由の説明義務を定めるパートタイム・有期雇用労働法14条2項(説明を求められた場合)の詳しい内容)
〇 事業主がパートタイム・有期雇用労働者から説明を求められた際に、待遇の相違の内容およびその理由について説明を行うにあたっての留意点は以下のとおりとされています。
(1)説明するにあたって比較する通常の労働者とは誰か
(2)待遇の相違の内容および理由として何を説明するか
(3)パートタイム・有期雇用労働者に説明する際の説明の方法
(1)の説明するにあたって比較する通常の労働者とは誰か
→ 待遇の相違の内容および理由について説明するにあたっては、事業主の選定する職務の内容が最も近い通常の労働者が比較対象となります。そして、施行通達によると「比較対象として選定した通常の労働者およびその選定の理由についても、説明を求めた短時間・有期雇用労働者に説明する必要がある」とされているので注意が必要とのことです。
(2)の待遇の相違の内容および理由として何を説明するか
→ ① 通常の労働者とパートタイム・有期雇用労働者とで待遇の決定基準の相違があるかどうか、② 通常の労働者とパートタイム・有期雇用労働者の待遇の個別具体的な内容または待遇の決定基準の2つを説明する。待遇の相違の内容および理由の説明の例として以下の例が示されています。
(「待遇の相違の内容」の説明の例)
{待遇の個別具体的な内容}
・基本給の平均額またはモデル基本給額を説明する。
・手当の標準的な内容または最も高い水準、最も低い水準の内容を説明する。
  {待遇の決定基準}
・賃金テーブル等の支給基準を説明する。
(「待遇の理由」の説明)
{待遇の決定基準が同一である場合}
・同一の決定基準のもとで違いが生じている理由(成果、能力、経験の違いなど)を説明する。
{待遇の決定基準が異なる場合}
 ・待遇の性質、目的を踏まえたうえで決定基準に違いを設けている理由(職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲の違いなど)を説明する。
 ・それぞれの決定基準を通常の労働者、パートタイム・有期雇用労働者に どのように適用しているかを説明する。
(3)の説明の方法
・説明にあたっては、パートタイム・有期雇用労働者が説明内容を理解することができるよう、資料を用いて、口頭で説明することが基本となっている。この場合の資料としては、就業規則、賃金規程、通常の 労働者の待遇の内容を記載した資料等が考えられるということである。この他、説明すべき内容をすべてわかりやすく記載した文書を作成した場合は当該文書を交付する等の方法でも差し支えないということである。
 (説明義務の目的)
〇 説明義務の目的は、パートタイム・有期雇用労働者は、その労働条件が不明確になりやすいことなどから、通常の労働者の待遇との違いを生じさせている理由がわからず、不満を抱く場合も少なくなく、また、事業主がどのような雇用管理の改善等の措置を講じるかについて、パートタイム・有期雇用労働者が認識していない場合も多く、こうしたことがパートタイム・有期雇用労働者の不安や不満につながっているということが指摘されているということです。そこで、パートタイム・有期雇用労働者がその有する能力を十分に発揮するためには、このような状況を改善し、その納得性を高めることが有効だと考えられたからということです。裁判の場面においては、パートタイム・有期雇用労働法8条に規定する「不合理な待遇の禁止」に違反するとして、損害賠償請求の裁判が提起された場合に、裁判で事業主が主張する待遇差の理由と、パートタイム・有期雇用労働法における「説明義務」の履行としての説明内容に齟齬があると、裁判での主張の信用性が疑われるばかりか、説明義務の履行として十分な説明をしなかったこと自体が不合理か否かを判断するうえでの考慮要素である「その他の事情」として勘案されるということです。したがって、事業主にとって説明義務が課されたことが大変なことであり、パートタイム・有期雇用労働者から求めがあってから準備するのではなく、あらかじめ準備しておくことが重要であるとされています。
(派遣元事業主から派遣社員を派遣してもらう場合に派遣先は「同一労働同一賃金」をクリアするために、どのような確認・準備が必要か)
〇 まず、派遣元事業主と派遣社員との労働契約に、パートタイム・有期雇用労働法が適用される場合、つまり、当該派遣社員がパートタイム・有期雇用労働者である場合には、派遣元事業主はパートタイム・有期雇用労働者である派遣社員に対し、自社(派遣元)の通常の労働者との間に不合理な待遇の禁止(均衡待遇)や通常の労働者と同視すべきパートタイム・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止(均等待遇)が求められます。また、派遣元事業主は、パートタイム・有期雇用労働者かどうかにかかわらず、①雇入れ時 ②派遣時 ③派遣社員から求めがあった場合、派遣元事業主の派遣社員に対する待遇に関する説明義務が強化されています。一方、派遣先事業主については、労働者派遣法に基づいて、派遣元事業主は、パートタイム・有期雇用労働者であるかどうかを問わず、派遣社員について派遣先の通常の労働者との間に、不合理な待遇の禁止や「不利」な取扱いの禁止が求められているところ、この場合、派遣先は何を確認・準備すべきかが重要であるとされています。
→派遣元の会社が均等待遇方式か労使協定方式かを確認する。
・労働者派遣法において、派遣社員と派遣先の通常の労働者との間で、均等待遇、均衡待遇を実現するため、「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」の2つが定められているということです。
①派遣先均等・均衡方式とは
「派遣先均等・均衡方式」とは、派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇を実現する方式ですが、派遣先が変わるごとに派遣社員の賃金水準を変える必要があり、派遣社員の所得が不安定になるおそれがあることから、派遣元事業主においては「労使協定方式」を採用することが一般的であるということです。
②「労使協定方式」とは
・派遣元事業主が過半数労働組合または過半数代表者と派遣元事業主との間で所定の事項を定めた労使協定を締結し、労使協定で定めた事項を遵守しているときは、待遇が労使協定に基づいて決定されるおとになり、「派遣先均等・均衡方式」が免除されるということです。
〇派遣先の情報提供の義務
・派遣先の通常の労働者と派遣社員の均等・均衡待遇を図るためには、派遣元事業主において、比較対象となる派遣先の労働者の待遇に関する情報を把握しておかなければなりません。そのため、労働者派遣の役務の提供を受けようとする者(派遣先)は、労働者派遣契約を締結にするにあたって、派遣元事業主に対して、派遣社員が従事する業務ごとに、「比較対象労働者」の賃金等の待遇に関する情報その他の厚生労働省令で定める情報を提供する義務を負い、派遣先がこの情報提供義務を履行しない場合は、派遣元事業主は派遣先との間で労働者派遣契約を締結することができないこととなっています。
〇比較対象労働者とは
・「比較対象労働者」は派遣先が次の①~⑥の優先順位により選定することとなっているということです。
①「職務の内容」と「職務の内容および配置の変更の範囲」が同じ通常の労働者
②「職務の内容」が同じ通常の労働者
③「業務の内容」または「責任の程度」が同じ通常の労働者
④「職務の内容および配置の変更の範囲」が同じ通常の労働者
⑤①~④に相当するパートタイム・有期雇用労働者(パートタイム・有期雇用労働法に基づき、派遣先の通常の労働者との間で均衡待遇が確保されていることが必要)
⑥派遣労働者と同一の職務に従事させるために新たに通常の労働者を雇入れたと仮定した場合における当該労働者(派遣先の通常の労働者との間で適切な待遇が確保されていることが必要)
〇労使協定方式の場合に提供すべき待遇に関する情報
・労使協定方式の場合は、教育訓練および福利厚生施設についての均等・均衡待遇の確保が義務付けられていることから、派遣先は次の①および②について情報提供の義務を負うとされています。
①業務に必要な能力を付与するための教育訓練
②給食施設、休憩室、更衣室の利用
〇待遇情報の提供と保存
・情報提供は、書面の交付等(書面の交付、ファクシミリ、電子メール等)により行わなければなりません。そして、派遣元事業主は書面等を、派遣先は当該書面等の写しを、労働者派遣契約が終了した日から3年を経過する日まで保存しなければならないこととなっています。
(待遇差が不合理か否かを最終判断する最高裁の判断枠組みの概要)
〇その待遇差が不合理か否かの最高裁判決には、①ハマキョウレックス事件 ②長澤運輸事件 ③大阪医科薬科事件 ③メトロコマース事件 ④日本郵便東京事件 ⑤日本郵便大阪事件 ⑦日本郵便佐賀事件があり、待遇差が不合理か否かの最終判断する判断の枠組みの概要は以下の2点とされています。
①基本給・賞与および退職金のような、その性質・目的が多義的な待遇については、制度設計上の事業主の経営判断を尊重する
→この制度設計上の事業主の経営判断が尊重されるためには、「正社員には人事異動による人材育成制度が採用され、将来、基幹授業員となってもらうのにふさわしい賃金体系を採用していることが必要」であるとされており、このような正社員に対する具体的な制度設計なくして、裁判所から制度設計上の事業主の経営判断を尊重するとの判断を得ることはできないことに注意が必要であるとされています。
②諸手当や福利厚生施設等のように、その性質・目的が単一で明確なものについては、裁判所が立ち入って、その性質・目的に照らして不合理か否かを判断する。
〇ハマキョウレックス事件から「事業主の経営判断の尊重」を考える
・ハマキョウレックス事件最高裁判決は、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止を定める改正前労働契約法20条についての訴訟であり「有期契約労働者については、無期労働契約を締結している労働者と比較して合理的な労働条件の決定が行われにくく、両者の労働条件の格差が問題となっていたこと等を踏まえ、有期契約労働者の公正な処遇を図るため、その労働条件について、期間の定めがあることにより不合理なものとすることを禁止したものである。そして、改正前労働契約20条は、有期契約労働者と無期契約労働者との間で労働条件に相違があり得ることを前提に、職務の内容、当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、その相違が不合理と認められるものであってはならないとするものであり、職務の内容の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定であると解される」と判示し、均衡がとれているか否かの判断にあたっては、「労使間の交渉や使用者の経営判断を尊重すべき麺があることも否定し難い」としています。
〇中小企業が注意すべき点
→基本給・賞与・退職金について裁判所が介入して、その待遇差が不合理であると判断された場合、結果として人件費が大幅に増えることとなります。
こおような事態を回避するには、「正社員には人事異動による人材育成制度が採用され、将来、基幹授業員となってもらうのにふさわしい賃金体系を採用していることが必要である」という、この制度設計を行うか、または、正社員と同等の待遇とするしかないということです。また、正社員と同等の待遇とする場合には、正社員または限定正社員(勤務時間限定)として無期契約労働者とする方法が考えれるということです。この場合、退職について、従前からいた正社員の3分の2とするなどの措置を講ずることも可能ということです。
※改正前労働契約法20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
→「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより、同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容および当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情を考慮して不合理と認められるものであってはならない」

「最新 同一労働同一賃金 27の実務ポイント」より。

とりとめのないまとめ方となっているとは思いますが、以上で、「同一労働同一賃金」についてのご説明となります。みなさま方のご参考になれば幸いです。

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同一労働同一賃金に関するQ&A

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