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【2020年度】代表コラム

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在籍型出向における雇用契約関係等について

2021-03-11
重要
おはようございます。
社労士事務所オフィスマツムラの松村貴之です。
今日、3月11日は、東日本大震災から10年ですね。お亡くなりになられた方々、甚大な被害を受けられた方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。いまや、自然災害はいつ起きても不思議ではない状況にあるように思います。ふだんから、しっかりと防災意識をもって生活していきたいと思います。
今日は「在籍型出向」における雇用契約関係等について書いてみたいと思います。まず、「出向」について触れたいと思いますが、「出向」とは、「出向元事業主と何らかの関係を保ちながら、出向先において新たな労働契約関係に基づき、相当期間継続的に勤務する形態=労働者の企業間の移動」とされています。
そのうえで、「在籍型出向」とは、「出向元との間に雇用契約関係があるだけでなく、出向元および出向先との間の出向契約により、出向労働者を出向先にも雇用されている形態」となり、一方、「移籍型出向」とは、「出向元および出向先との間の出向契約により、出向労働者を出向先に雇用させている形態」となり、「出向元との雇用契約関係は終了している」状態となります。
「出向」にあたっては、「出向規定」を定め、「合理的な出向命令を行うこと」が必要であり、この「出向命令」については、労働契約法第14条により、「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は無効とする」と規定されています。
「出向命令と労働者の同意」の関係は、判例によると「就業規則に出向の根拠規定があり、労働協約に出向労働者の利益に配慮した規定が設けられている場合であって、身分関係が明確であり、出向期間の長期化をもって転籍と同視することができない場合においては、会社は従業員に対し、その個別の同意を得ることなく出向を命ずることができる」とされています。そして、労働者の個別的同意を得ていない出向命令が有効と認められるはどうかについては、一般的には以下の事情を考慮して当該出向命令の有効性が判断されます。
労働契約上の根拠・・・出向しない旨の合意がなく、就業規則などの出向命令が設けられているか。
業務上の必要性・・・企業の運営合理化の観点から、出向の必要性が認められるか。
人選の妥当性・・・本人を選択した(他の人を選ばなかった)理由に合理性や妥当性があるか。
労働者の受ける不利益の程度・・・労働者に対し、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものでないか。
手続きの妥当性・・・労働組合等との交渉や協議、本人への説明や説得等は十分であったか。
不当な動機・目的の不在・・・不当労働行為を画策するなど、他の不当な動機や目的をもってなされたものではないか。となっています。
なお、労働基準法の「労働条件の明示」については、「出向先」が当該事業場における労働条件を明示する必要があり、「36(サブロク)協定」についても出向先の協定の適用を受けることとなります。

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