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【2021年度】代表コラム

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60歳~64歳までの在職老齢年金制度の見直しについて

2021-04-16
重要
今日は、「60歳~64歳までの在職老齢年金制度の見直し」について書いてみたいと思います。
この「在職老齢年金制度」というのは何とも複雑なのです。

そもそも、「在職老齢年金制度」とは何かというと、男性・女性とも一定の生年月日に応じて、60歳~64歳までの範囲で「特別支給の老齢厚生年金」を受給されておられる方々がいます。そして、原則として、厚生年金には70歳まで加入することができます。この「特別支給の老齢厚生年金」を受給しながら厚生年金の被保険者となって報酬(給与・賞与)を受けることを「在職老齢年金」といいますが、年金を満額受給し、報酬(給与・賞与)も受けるということは「年金」の本来の目的=所得保障という目的を損なうこととなるので、報酬(給与・賞与)額と年金月額の合計額が一定の額を超えると年金額を調整することを「在職老齢金の仕組み」といいます。

現行の「60歳~64歳までの在職老齢年金の仕組み」は以下のとおりです。
まず、60歳~64歳までの在職老齢年金の仕組みにおける年金の「支給停止基準額」は28万円です。そして、報酬(給与・賞与)の合計(総報酬月額相当額)と年金の月額が支給停止基準額である28万円以下であれば、年金は全額支給されます。

それでは、28万円を超えるとどうなるかというと、
①総報酬月額相当額が47万円以下で年金の月額が28万円以下の場合は、
(総報酬月額相当額+年金月額ー28万円)÷2で計算した額が月額の支給停止額となります。
②総報酬月額相当額が47万円以下で、年金の月額が28万円を超える場合は、
総報酬月額相当額÷2で計算した額が月額の支給停止額となります。
③総報酬月額相当額が47万円を超えて、年金の月額が28万円以下の場合は
(47万円+年金月額ー28万円)÷2+(総報酬月額相当額ー47万円)で計算した額が月額の支給停止額となります。
④総報酬月額相当額が47万円を超えて、年金の月額が28万円を超える場合は
(47万円÷2)+(総報酬月額相当額ー47万円)で計算した額が月額の支給停止額となります。

以上が、現行の「60歳~64歳までの在職老齢年金の仕組み」となりますが、今回の「年金制度改正法」によって、どうかわるのかといいますと、現行の支給停止基準額の28万円が、令和4年4月1日より47万円に引き上げられます。そして、総報酬月額相当額と年金月額の合計額が47万円以下であれば、年金は全額支給され、総報酬月額相当額と年金月額の合計額が47万円を超える場合は、(総報酬月額相当額+年金額ー47万円)÷2で計算した額が月額の支給停止額となります。

年金制度では、「年金財政の健全性を確保し、将来にわたって年金の給付水準を確保できるよう、少なくとも5年ごとに年金財政の現況と見通しを検証する財政検証が行われています。

2019年の財政検証によると、経済成長と労働参加を促進することが年金の給付水準を確保するために重要であることが示されています。こういったこともあり、60歳~64歳までの在職老齢年金における支給停止基準額が引き上げられることとなったのではないかと思います。なお、冒頭に書いた「特別支給の老齢厚生年金」は男性は2025年度で、女性は2030年度で終了することとなっています。
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社会保険労務士 松村 貴之

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