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地域密着型特別養護老人ホームよりあいの森

福岡市城南区別府（べふ）にある地域密着型特別養護老人ホームよりあいの森。

昨夜、NHK　Èテレでその取り組みについて紹介されていました。

「よりあいの森　老いに沿う」

ポイントは「老いに添う」ではなく「老いに」「沿う」としているところだと思います。

国語学者ではないので詳しいことはわかりませんが、「添う」は「そばにいる」、「沿う」は「いっしょに歩いていく」という意味があると思います。

よりあいの森では生活するうえでの「ルール」はありません。この「ルール」を決めずに生活を援助するということは言うのは簡単でも実践することは難しいのです。

よりあいの森で生活されておられる方々は２６名です。２６名の方をルールを決めないで援助するには相当の職員数を確保する必要があります。そして昨夜の番組をみた限りではお元気な方が多いなーと感じました。お元気な方が多いということは介護度はそう高くなく報酬も低くなるということになります。

私は特別養護老人ホームに２８年間勤務していたのでわかるのですが、介護保険法上は「入所者を介護度、収入の多寡によって決めてはならない」ことになっていますが、実際はそうはなっていません。

よりあいの森さんにお元気な方が多いということは、それは介護の結果であると思います。建物内も家庭的な雰囲気でいい感じでした。特に認知症をもっておられる方は環境面を整えることが大切で、こういったことを考えるとき、よりあいの森さんはいい環境だと思います。身だしなみもきれいにされていて、「私はここに寮母として働いているの」という方がいらっしゃって職員といっしょに食器洗いをされていました。このようなことは思っていてもなかなかできないのです。多くの施設には「はい、ごはんですよー　お風呂ですよー　起きてくださーい　寝てくださーい　運動しますよー」といった「ルール」があります。よりあいの森さんのように老いに沿い、それぞれのファミリーヒストリーのもと介護された結果お元気になった場合は報酬上のインセンティブをつけるべきだと思っています。

よりあいの森さんは地域密着型のサービスなので福岡市にお住まいの方でなければ入居できませんが、福岡市にお住まいの方で介護が必要になった場合は、よりあいの森さんがオススメです。いま介護施設で働いている方々もほんとうは、よりあいの森さんのような介護の方法を望んでいる人は多いと思います。「施設選び」のポイントは「夫・妻らしい生活できるか」「じいちゃんばあちゃんらしい生活ができるか」「親らしい生活ができるか」です。この視点を大事にされて施設を選んでください。

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